兵庫県篠山市内最大規模のバイカオウレン群生地、篠山市本郷の松隣寺(TEL079・592・0145)境内で3月25日、観察会が開かれた。地元の愛好家や同寺の檀家らでつくる「松隣寺のバイカオウレンを守り育てる会」の主催。20日ごろから開花が始まり、今月いっぱいが見ごろという。同会は「可憐に春を告げる『森の妖精』に会いに来て」と話している。
観察会は今年で5回目。訪れた人たちは、群生地で足を止め、小さな花をのぞき込むようにして鑑賞し、「かわいい花やね」と表情をくずしていた。甘酒の振る舞いもあり、コップを片手に談笑し、穏やかなひとときを過ごしていた。
バイカオウレンはキンポウゲ科の多年草。直径1ほどの白い花を咲かせる。同寺裏山の斜面にたくさん植えられているシャクナゲの木の下にひっそりと小さな花を咲かせている。同会が柵を設置し、群生地を保護している。タンポポの綿毛のように見えるセリバオウレンも咲いている。
世話している同寺近くに住む細見典昭さん(77)は、「市外からも山野草に興味のある人が訪れるようになった。群生している面積も少しずつ広がっている」と話していた。