橋俊さん・大坂宇津実さん 23歳コンビが新規就農 「U・Iターンの“灯台”に」

2017.03.11
ニュース丹波篠山市

田畑を借りて新規就農した橋さん(左)と大坂さん=兵庫県篠山市黒田で

兵庫県の篠山市と神戸大学が昨年、JR篠山口駅構内に開設した「篠山イノベーターズスクール」の1期生、橋俊さん(23)と、大学のボランティアサークル活動がきっかけで篠山に根付いた大坂宇津実さん(23)が、西紀南地区・黒田の田畑を借り、新規就農者として農業をスタートした。橋さんは河内台出身のUターン、大坂さんは大阪市出身のIターン。スクールや地元住民らのサポートを得ながら、農業に将来性を見いだした同い年コンビは、「ビジネスとして成り立たせ、U・Iターンを考える若い世代の“灯台”になりたい」と意気込んでいる。

借り受けている農地は約6反。水稲のほか、無農薬・無化学肥料で旬にこだわった多品目の野菜を栽培する予定で、農作物は主に飲食業者やファーマーズマーケットなどに卸すという。

初年度は生産に加えて、農産物の加工にも挑戦。将来は農家レストランの開業も見据えており、2人は、「30歳までの7年間に生産と加工の売り上げ2000万円が目標」と話す。

帯広畜産大学で農業経営学を専攻した橋さん。卒業後、神戸大学大学院で学び、「地域の資源が余り始めている状況にこそ、商機があるのでは」と考えた。

そんな中、農村での起業を目的にした同スクールが開設され、1期生として入学。実践者に“弟子入り”する「地域プロジェクト型学習」で有機農園を営む吉良正博さん・佳晃さん親子(篠山市不来坂)らに出会い、夢を具体化できると実感した。起業に必要な知識などもスクールを通して得ることができたという。

昨年10月、西紀南まちづくり協議会の北山透さんが、神戸大学大学院生で、同地区で活動している大坂さんを紹介。ドイツのワイナリーレストランに憧れていた大坂さんと意気投合し、それぞれの知識やつながりを生かそうと、共同して起業することになった。

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