「六古窯」で日本遺産に 丹波焼など全国6自治体

2017.04.29
ニュース丹波篠山市

丹波焼最古の登り窯の前で、「日本六古窯」での日本遺産認定を喜ぶ関係者ら=兵庫県篠山市今田町上立杭で

文化庁は4月28日、2017年度の「日本遺産」を発表し、丹波焼の産地である兵庫県篠山市をはじめ、「日本六古窯」のある全国の6自治体で申請していた六古窯にまつわるストーリーを認定した。篠山市は2015年に続いてのダブル認定。六古窯では昨年も申請しており、2度目のチャレンジでの栄誉となった。窯の火を絶やすことなく受け継がれてきた伝統が、日本を代表する遺産に認められ、丹波焼の里に喜びが広がっている。

篠山市以外の自治体は、岡山県備前市(備前焼)、福井県越前町(越前焼)、愛知県常滑市(常滑焼)、同県瀬戸市(瀬戸焼)、滋賀県甲賀市(信楽焼)。備前市が取りまとめを行い、今年2月、文化庁に申請していた。

日本遺産は地域の風土に根差した文化財群(構成文化財)をまとめた「ストーリー」を認定するもの。単一市町村の「地域型」と、複数市町村にまたがってストーリーが展開する「シリアル型」がある。

六古窯のある各自治体はシリアル型として申請し、「きっと恋する六古窯―日本生まれ日本育ちのやきもの産地」をタイトルに。縄文時代から続くやきものの技術を継承した生粋の産地で、「恋しい人を探すように煙突の煙を目印に進めば、『わび・さび』の世界へ誘いこまれ、日本の原風景に出合うことができる」というストーリーにまとめて申請した。

ストーリーを構成する文化財は計55件。うち篠山市は、▽丹波立杭焼▽丹波焼古窯跡(県史跡)▽丹波立杭登窯(県重要有形民俗文化財)▽丹波立杭焼・作窯技法(国選択無形文化財)▽古丹波コレクション(県有形文化財)―の5つがある。

今月5日に開催された「日本遺産審査委員会」で内容が審議され、申請件数79件中、17件の認定に入った。六古窯での遺産認定を目指す活動は、15年に今田町で開かれた「日本六古窯サミット」で宣言していた。

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