国内外でホテルなどを運営する「ホテルルートイングループ」(本社・東京都)が、兵庫県篠山市河原町にホテル出店の意向を示している。同グループの永山勝利会長(74)が、篠山の街並みや景観を気に入り、出店を計画。6月23日には、永山会長らが篠山市民センターを訪問、市や商工会、旅館業組合、住民らと意見交換した。永山会長は、丹波新聞社の取材に対し、土地の賃借契約などの環境が整い次第、「早ければ来夏にもオープンしたい」との考えを示した。
同社によると、ホテルは最大でも3階建てで、客室は150室程度を想定。和風の建築を取り入れ、周囲の景観に合うよう配慮するという。
予定地は、西日本JRバスが所有する「旧本篠山営業所跡地」で、面積は約4000平方メートル。来年3月までの契約で、同社から市が年額698万円で借り受けており、市営駐車場として利用している。市との契約が終了次第、JRバスとルートインで賃借契約を結ぶか、市も交えた3者で協定を結ぶという。
国内外に320施設のホテルやリゾートを運営し、業界4位の売上高約1000億円を誇る同グループ。ホテル進出を地方活性化の起爆剤と考え、各地で出店を進めている。
永山会長は意見交換会で、「地元の旅館やホテルの客層をターゲットにしない。全国のルートインで篠山を全国に発信するなど、自前で新しい顧客を呼び込み、海外からの観光客誘致にも力を入れる」とし、「地元の人と共存共栄を図り、まち全体が観光客であふれるよう尽くしたい」と話した。