兵庫県篠山市大山地区の大山郷づくり協議会(斉藤邦彦会長)が、「茶色の黒大豆」を同地区の特産物にしようと、栽培をスタートさせた。茶色の黒大豆をつくったのは、大山地区の一印谷で約20年以上、黒豆を栽培している長澤義晴さん(76)。枝豆などとして一般に流通させるのは現在のところ未定で、一定の生産量を確保していくために、種豆の栽培に力を入れていく。今月下旬―来月上旬に同地区の2カ所で苗の定植を行い、併せて国への品種登録のための手続きを進めていく。
一印谷にある法師丸池にちなんで「茶法師丸」と命名。長澤さんによると、茶法師丸は、黒大豆の品種「丹波黒」の変種という。形や大きさ、風味は丹波黒と同じだが、皮が薄いため食べた際、口あたりが良いという。煮ると鮮やかな茶色になる。
2004年12月、長澤さんが黒大豆の脱粒作業の際に茶褐色の豆を7粒発見した。「変わったもんが出てきた」と捨てずに取り置き、興味本位で翌年から茶色豆を種子として栽培を始めた。知人から「もとの黒色に戻る可能性があるから、10年は茶色豆をつくり続けないといけない」とアドバイスを受けたことから、毎年、茶色の性質がよく出ている豆を選別播種して栽培を繰り返し、種豆を増やしてきた。