兵庫県丹波市氷上町成松の「愛宕祭り」が8月23、24の両日行われ、300年以上の伝統がある「造り物」が奉納されたほか、4000発の花火が打ち上がり、夏の夜空を彩った。
一つの材料で作る「造り物」は、世相を反映した作品が各所に飾られた。最高のダイヤモンド賞には、西町区の「国宝彦根城(天守)と天秤櫓」(焼物一式)が輝いた。
今年は、西町区の中の3組(6戸)が担当。できるだけ忠実に表現しようと、造り物世話役の大嶋規男さんらが事前に彦根城まで足を運び、細部を確認したという。住民らは8月初旬から平日夜に集まり、こつこつ作り上げた。
木材でこしらえた土台の上に、2900枚ほどの焼き物を金具などでとめた。屋根には黒い皿、壁には白い皿で統一感を出し、門には色鮮やかな彩色の皿を飾り付けた。
天守の屋根の「反り」も見事に表現したほか、彦根市のゆるキャラ「ひこにゃん」も、火鉢や花瓶、れんげなどでかわいらしく仕上げた。
大嶋さんは「仲良く輪をもって取り組めたことが何より。みんなの負担なく、手も抜かずにできて良かった」と喜んでいた。同組は特別賞も獲得した。