奇祭として知られる「鱧切祭」が10月14日、篠山市北沢田地区の公民館で開かれた。大蛇になぞらえた2メートル近くもある鱧を鱧切役の稲川裕典さん(46)が包丁で切ると、見学の住民らから歓声があがった。稲川さんは「鱧切役は高校生以来。鱧を持ち上げ、ひっくり返して、切るという動作がうまくできるか心配で、緊張した」と話した。同地区は、少子化で休止していた鱧切祭を昨年、11年ぶりに復活。地区外の子どもも祭の役につけるよう改めた。
祭りは、澤田八幡神社(同市沢田)の神事。沼田の多かった同地区に人々に危害を加える大蛇が生息していた。村人は大切な長男をスッテンテンと呼び、生贄に出していたが、ある時、大蛇を退治する神が現れ、ドブロクを御神酒持につがせ、大蛇が酔いつぶれたところを退治したと伝えられている。神が大蛇を退治した場面を模倣して鱧切りを行う祭りで、五穀豊穣や天下泰平を神に奉告する。