大杉ダム自然公園(兵庫県丹波市市島町徳尾)の周辺整備に関し、前山地区自治振興会の関係者が補助金を不正受給していた問題で、関係者が新たに、ダム公園とは別の災害復旧事業でも補助金を不正受給していたこと、ダム公園整備事業の一部で、業者の見積書を改ざんし、工事費を水増しし、市の補助金を過大に受給していたと市に伝えていたことが、9月29日の市議会予算決算特別委員会で明らかになった。市議会は同日、地方自治法100条に基づく調査特別委員会を設置。不正の舞台となった補助金を含む昨年度の市一般会計決算を不採択とした。
市によると9月28日の朝、不正への関与を認めている同公園管理委員長、前山地区自治振興会長ら関係者4人が市役所を訪れ、管理委員長が、他の事業でも補助金の不正受給に関わったと報告した。面談した鬼頭哲也副市長によると、ダム以外の治山、農地復旧、シカの防護柵、法定外公共物(里道や水路)の復旧などで不正を働いたことを打ち明けたという。具体的な事業名や個所数は改めて調べた上で報告するとし、詳細な説明はなかったという。ダム公園管理委員長という立場ではなく、委員長が個人の立場で様々な事業で不正に関与したという説明だったという。
また、ダム公園の不正について、これまでの説明では、地元負担をゼロにするために領収書を偽造し、三者から見積もりをとったうえで一番安い業者を選定し、市の補助金内で工事をするよう値下げ交渉したとしていたが、一部工事は、見積書を偽造し、工事費を水増ししていたと説明を変えたという。
市は、ダム公園について、受注業者だけでなく、見積もりを提出した業者も含め、業者に協力を依頼し、事実関係の把握に努めている。