豪雨災害復旧の市補助金 新たに161件不正証言

2017.10.22
ニュース丹波市

兵庫県丹波市市島町前山地区自治振興会の大杉ダム自然公園の前管理委員会長(64)が10月20日の市議会100条委員会の証人喚問で、豪雨災害復旧関連工事161件で不正を働いたと証言した。地元負担をゼロにするため、工事業者の領収書を偽造する手口で、市補助金を不正受給した。被災自治会らの農林業施設、水路、農地の復旧、鳥獣害防護柵の設置などで不正受給が行われていたことが明らかになった。

市島町前山地区自治振興会が同振興会内の自治会、各種団体を対象に補助金処理が適正に行われているかを調べた自主調査の結果によると、適正に処理が行われていない可能性がある事業は179件。161件はこれに含まれる。他には、不正受給発覚の発端となった大杉ダム観光施設整備関連補助金が13件(昨年度と今年度)、これとは別に、前山地区鳥獣防護柵管理組合取扱い分の5件。

161件の内訳は、▽下鴨阪自治会申請分141件▽尾端自治会取扱い分14件▽鴨阪自治会取扱い分4件▽大杉自治会取扱い分1件▽前山地区鳥獣害防護柵管理組合取扱い分1件―。

161件の丹波市の補助対象経費総額は1億6532万4320円。補助金総額は1億4999万220円。この差額分1533万4100円が地元負担額。

下鴨阪自治会は、前ダム管理委員会長の地元自治会。同管理委員会長は取材に「地元負担が生じないよう工事業者の領収書を偽造した」と認めた。また、「被災し悲痛なみなさんに負担をしないと工事をしてあげられないと言えなかった。法令に違反していることは分かっていた」と言い、下鴨阪以外の自治会分について「頼まれたものもあった」と話した。

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