江戸時代の地理学者、伊能忠敬(1745―1818年)が、兵庫県篠山市内で測量した史実を探索し、その足跡を通して地域活性化につながる取り組みを展開している市民グループ「伊能忠敬笹山領探索の会」(加賀尾宏一会長、22人)が11月24日、播磨地域で同様の活動を行っている市民グループとの交流会を篠山市内で開いた。両会から5人ずつ参加。加賀尾さんらが忠敬の歩いた街道沿いに建てた標柱をめぐって親睦を深めた。
「伊能忠敬笹山領探索の会」は2010年、丹波市の丹波の森公苑が主催する講座「丹波学」で、「伊能忠敬が測量した丹波の道」を学んだことをきっかけに発足。加賀尾会長(79)=篠山市乾新町=らは、伊能忠敬が篠山領内を測量した10日間(1814年2月3―12日)の足跡を、郷土の歴史・文化を育む生きた教材として後世に伝えていこうと、調べたことを機関紙にして発行したり、地域や小学校での出前教室を通じて忠敬が歩いた市内の街道沿い12カ所に標柱を立てるなどの活動を展開してきた。
播磨地域での足跡をたどっているグループの発足は05年、県の「ふるさとひょうご創生塾」の10期生が卒塾研究で忠敬を取り上げたのがきっかけ。高塚洋さん(74)=高砂市=を代表に、地域の有志も加えた「ふるさとひょうご創生塾ご縁グループと同好会」(15人)として活動を展開しており、これまでに調査結果をまとめた本2冊を出版している。
加賀尾さんらの活動を知った高塚さんが声を掛け交流会が実現した。