兵庫県篠山市は、兵庫医科大学ささやま医療センターとの間で来年7月に締結する予定の次期「基本協定書(案)」がまとまったと、12月5日の市議会議員全員協議会で報告した。同案では、医療と介護の連携や、地域医療を担う総合診療医の育成などに関する条文を加えたほか、産科、小児科の確保や厳しい経営状況を支援するため、運営費補助金を3600万円増額。診療科目は現行どおり維持される方針。同案は11月末に開かれた兵庫医科大学の理事会で了承された。
同案では、同センターを引き続き同市の中核を担う病院として位置づけ、▽包括的な医療と介護の連携▽総合診療医などの育成▽子どもから高齢者までが健康で住み慣れた地域で生活できる地域医療モデルの実現と研究、事業実施▽安定した経営基盤の確立―などの条文を加えた。
運営費補助金は、年1億2600万円を交付。3600万円の増額分は、小児医療、救急告示病院、小児救急医療にかかる特別交付税を財源として充当するかたちをとった。同センターの「累積赤字が解消するまで」交付する。現協定を結んだ2008年度(平成20)以降の累積赤字は約37憶円。
団塊の世代がすべて後期高齢者となる2025年(平成37)に地域医療の現状を分析する必要があることから、次期協定の期間は「7年間」とした。