芦田均の講話も収録 柏原高校創立120周年記念誌を発行

2017.12.26
ニュース丹波市

貴重な資料や多彩な話題を載せた柏原高校の創立120周年記念誌

柏原高校の創立120周年記念誌が発行された(制作印刷・丹波新聞社)。同校の卒業生で、内閣総理大臣を務めた芦田均、商社「日商」の社長を務めた永井幸太郎が30歳代半ばの頃、旧制柏原中学校の生徒たちに講話した記録を収録するなど、貴重な資料を集めている。同校、同窓会、PTAでつくる120周年記念事業委員会の発行。

4部構成で、1部は「著名な卒業生の思い出の記」。これまでの同窓会報や記念誌などに寄せられた著名人たちの原稿を集めている。元文部大臣の有田喜一は徒歩で通学した思い出、歌人で作家の上田三四二は受験勉強に励んだ思い出、俳人の細見綾子は柏原高等女学校を受験した際の思い出などをつづっている。卒業生ではないが旧制柏原中の校歌を作曲した音楽家、犬童球溪が柏原をしのんで作った歌もある。

芦田と永井の講話録も1部で収録した。大正13年(1924)に発行された旧制柏原中の同窓会報に掲載されたもの。当時、外交官だった芦田は「国際上に於ける日本の位置」と題して、日本の政治の貧困ぶりを嘆き、女性の参政の必要性などを説いている。永井は「商道の極意」と題して講話。当時、永井は鈴木商店に勤務しており、仕事上の経験から「商道の極意の一つは、大勢に逆行すること」などと説いている。

記念誌の2部では、在校生が昨年、年配の卒業生に聞いた高校時代の思い出の聞き書きを収録。高女の入試に長刀があったこと、戦後、アメリカ兵にフォークダンスを教わったこと、男女別々だった修学旅行の思い出などを話し言葉でしるしている。

記念誌ではこのほか、120年の歴史の中から興味を引く話題を集めたページや、創立110年から10年間の同校の歩みをまとめたページなどがある。

A4判、101ページ。記念誌は残余があり、先着順で購入希望を受け付けている。同窓会報賛助金を2口(1口2000円)以上、寄せることが条件。問い合わせは柏原高校同窓会事務局(TEL0795・72・1921、月・木曜日)。

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