伊能忠敬の足跡を地図に 丹波OB大院2年生

2018.02.13
ニュース丹波市

自作の測量道具を持ち、観光ガイドマップをPRする丹波OB大学大学院2年生=兵庫県丹波市柏原町柏原で

丹波OB大学大学院2年生8人が、江戸時代の測量家・伊能忠敬の丹波市内での足跡と、市内の寺社や名所、飲食店などを紹介する観光ガイドマップを製作した。約200年前に忠敬が実際に歩いたコースを自作の測量道具を持ってたどり、一部では測量も実施。それらを踏まえ、忠敬が宿泊した場所なども示したメンバー手描きの地図に落とし込んでいる。リーダーの笹倉英昭さん(75)=丹波市山南町奥=は、「忠敬は1日に20キロほど歩いたとされ、大変な作業だったとわかった。本当に昔の人は偉かったと思う。地図が地域おこしにつながれば」と話している。

A3判カラー。表面はメンバーの足立繁信さん(69)=同町谷川=と足立ちひろさん(66)=同=が地図を手描きし、かわいらしい忠敬のイラストも添えている。忠敬が歩いたルートのほか、泊まった和田本陣や柏原本陣、佐治本陣など8カ所の宿泊地も紹介。裏面には忠敬が訪れた寺社のほか、メンバーが魅力に感じる市内の飲食店なども写真入りで掲載している。

2年生は、地域の観光資源発掘を目的に、1814年(文化11)に市内で測量を実施した忠敬に着目した。忠敬が実際に歩いた道をたどろうと、6―8月を中心に8回のフィールドワークを実施。当時の測量道具も再現しようと、角度を測定する「象限儀」や、羅針盤なども自作した。歩く際には菅笠をかぶって御用旗を持ち、忠敬が測量した江戸時代に思いをはせた。距離を測る「鉄鎖(てっさ)」を作った芦田宗夫さん(80)=同市春日町小多利=は、「忠敬は69センチの歩幅で歩いたとされる。メンバーそれぞれの歩幅を測ってみたが、毎回同じような歩幅では歩けなかった」と笑う。

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