兵庫県柏原町石戸の由良繁久さん(58)が、主鏡の直径が22インチ(約56センチ)の反射式望遠鏡を6年かけて制作した。また、望遠鏡の観察を公開することにし、特に中学、高校生に関心を持ってもらいたいと考えている。
全体の長さは約2・5メートル。望遠鏡は肉眼の6300倍の光が集められ、何億光年かなたのかすかな銀河も捉えることができるという。
主鏡や光学系の材料は本場のアメリカから調達。その他はホームセンターで入手したコンパネを張り合わせて架台を作ったり、主鏡と接眼部分をつなぐアルミパイプのクッションには配管の保温材を使うなど工夫を凝らした。一番難しかったのは全体のバランスで、望遠鏡の重心と回転軸を一致させるために何度も調整し、納得いくまで図面を引き直した。
由良さんが自作の望遠鏡をつくるのは6台目。愛称は「YURAζ」。ギリシャ文字の6番目の文字であり、英語の「Z」に相当し、これまでの作品の集大成の気持ちを込めた。
由良さんは柏原中学校1年の時に友人の影響で天体に興味を持つようになった。「多感な子どもたちに気の遠くなるような強大な時間と空間をじかに感じてもらい、その体験が何らかの影響を与えることができれば」と話している。