兵庫県丹波市青垣町で1時間雨量69㍉を観測する強い雨に見舞われた7日、丹波市内各地で山からの水や内水による床上浸水30戸、床下浸水136戸の住宅被害が出た。市民1人と消防団員1人が軽傷を負った。
土砂の流入、冠水などで寸断された道路も国道175号(塩津峠・大型車通行不可、氷上町稲継・片側通行)や春日和田山道路は復旧した。JR福知山線は8日も始発から運転を見合わせる。舞鶴若狭自動車道路の通行止めは続いている。大雨特別警報は午後6時10分に解除され、市は避難指示を解除した。
土砂災害警戒情報は続いており、避難所は引き続き設けている。雨や土砂災害への警戒を呼び掛けている。
床上浸水は氷上2件、春日17件、山南8件、市島3件。床下浸水は柏原3件、氷上44件、青垣8件、春日25件、山南21件、市島35件。
床上、床下浸水被災者の災害ごみの持ち込みを8日から丹波市クリーンセンター(春日町野上野)で始める。普段同センターで処理しているものが対象で、費用は無料。
被害家屋の調査を9日から始める。また、社会福祉協議会と市は床上、床下浸水した被災者の希望に基づき、片づけボランティアを派遣する方向で調整中。
氷上町横田では、春日和田山道路大崎横田トンネルの北側の山の斜面で土石流が発生した。土砂や倒木が道路に流入したほか、山裾にあった墓地を土砂が押し流した。墓地の駐車場に停めていた車3台も押し流され大破した。
近くに住む男性(24)によると7日午前2時20分ごろに雷が鳴ったような音が聞こえ、現場を見に行くと土砂が同道路に流入してい た。その後10分ほどし、再び雷のような音がし現場に行くと、同道路が停電、倒れた電柱の電線から火花が飛び散っているのが見えた。2度目の土石流は1度目のものより西側斜面で起こっており、100㍍以上に渡って崩落。土砂が民家の側まで迫った。
男性は「まさかという思い。自動車道の高架がなかったら、自宅まで土砂が来ていただろう。これから台風の季節。早く復旧してほしい」と話していた。
近くの青蓮寺の荒木伸雄住職によると、100基ほどの墓があり、先日建替えたばかりの檀家があるという。荒木住職は「涙が出そう。言葉にならない」と、惨状をまのあたりにし絶句していた。
同道路は同日午後4時半に上下線とも全線復旧した。
降り始めからの累加雨量(㍉、7日午後7時まで)は次のとおり。▽国領=365▽市島=352▽三宝ダム=361▽森(市島)=413▽北岡本=398▽佐治=476▽稲継=467▽北和田=494▽桧倉=487▽柏原=323▽上新庄=425▽谷川=370▽青田=406
午後7時40分時点の通行止め状況は次のとおり。
▽県道=賀茂春日線(天王坂)、109号穴裏峠(青垣町東芦田―福知山市)、篠山山南線(山南町上滝)、稲畑柏原線(稲畑信号付近)、朝阪山南線(山南町応地付近)
▽国道=427号遠阪峠(青垣町遠阪―朝来市山東町)、427号播州峠(青垣町大名草―多可町)、429号青垣峠(青垣町大名草)、429号榎峠(青垣町中佐治)
▽市道=特17号線(氷上町西中)、特29号線(氷上町横田)、東120号線(市辺公民館付近)、特20号線(稲継大橋付近)、南123号線(佐野谷川付近)、特16号線(氷上町福田)、香良103号線(岩滝寺付近)、中央107号線(氷上町犬岡)、新川線全線(春日町船城、黒井)、野山本線(春日町野山)、応地草部線(山南町応地)、山崎金屋線(山南町金屋)、下立杭柏原線(山南町阿草)、山下三の丸線(市島町東勅使)、樽井前木戸線(市島町下竹田)、与戸乙河内線(市島町与戸)
▽農道=長王2号線(春日町新才)