兵庫県篠山市本郷のしゃくなげ会館前で21日、西紀北地区の新鮮な野菜などを販売する農産物直売市「草山の郷 旬の楽市」がスタートした。今後、毎月2回、第1、3土曜日に開催。源流ではぐくまれた野菜を、地域で地産地消することや、県道を行き交う人々にも発信する。農家らは、「自分たちで食べるために作っているので安全なもの。各集落から集まった野菜の味を楽しんでほしい」と話している。
スイカにピーマン、ナス、キュウリなどの夏野菜のほか、お米や赤い男爵イモまで。初めての市に、清流で育ったさまざまな野菜が並んだ。
売るのが地元民ならば、買うのも多くは地元民。見知った顔同士、「これどないして食べるん?」「ポテトサラダがおいしいわ」などと会話も弾んだ。
楽市は、同地区の「草山郷づくり協議会」内のコミュニティビジネス部会が主体となって企画。販売する登録農家は13人でスタートした。
市内最北東部に位置し、4つの集落がある同地区。四方を山に囲まれ、どこに行くにも峠を越える。市内中心部には車で20―30分かかることから、他地区の直売所に野菜を出しても、「往復のガソリン代を考えたら、何しとるこっちゃわからん」状態だったという。
そこで、地元で作った野菜を地元民が買うことで、地産地消を進めたり、農家の生産意欲を向上させることなどを狙って、楽市を開くことになった。
同部会の細見強部会長(73)は、「派手なことはできないし、小さなことかもしれないけれど、“オール”草山で協力し合って続けていきたい。若い人にも参加してもらえたら」と言い、「地元民だけでは売り切れない。ぜひ、他の地区や、道行く人たちにも訪れてもらえたら」と呼び掛けている。
楽市の開催時間は、午前9時半から同11時半まで。