主婦ら対象に「好きな日と時間に働いて」 遅刻、早退、欠勤にペナルティなし

2018.09.30
ニュース丹波市地域

働ける日や時間帯などを自分で設定し、仕事をこなす足立商事の従業員=2018年9月10日午後2時19分、兵庫県丹波市春日町野村で

働き方改革関連法案が成立するなど、改めて「働き方」が考えられている昨今だが、従来の勤務体制を大きく変更するにはまだまだ壁が多い。特に子育てをしている主婦が多いパートタイマーは、子どもの急な発熱など、さまざまな事情により、決められた勤務時間を守ることに頭を悩ませている。そんな中、兵庫県の地方部にある企業が「遅刻、早退、欠勤OK」という制度を採用。女性や高齢者が働きやすい環境づくりに挑戦している。

 

突然の遅刻、早退も基本的に連絡なしOK

雑貨の卸売業や通販サイトの出荷代行業などに取り組む兵庫県丹波市春日町の「足立商事」(足立健実代表)。パートタイマーが働きたい日や時間帯、勤務時間の長さなどを決めることができる「フリーフレックスタイム制度」を採用している。

遅刻や早退、欠勤にペナルティはなく、時間に制約がある人の受け皿になっている。足立代表によると、同制度を採用している企業は全国的にも珍しいという。「ライフスタイルに合わせて働ける。弊社の取り組みが成功事例となり、他地域でも女性や高齢者が働きやすい環境が広がっていけば」と話している。

雇用形態はパート。同社が請け負う、プリザーブドフラワーを製造販売する「大地農園」(同市山南町)の出荷作業で同制度を取り入れている。プリザーブドフラワーの長さを切りそろえたり、袋詰めなどの出荷工程を行っている。

前週までに働ける日と時間、長さなどシフトを申告。それぞれにノルマはなく、「急に子どもが熱を出した」「習い事の送り迎えがある」「病院に行くことになった」など、突然の遅刻や早退でも、30分以内のものであれば連絡しなくてもよい。パートの申告結果から、大地農園に引き受けられる仕事量を報告して受注している。

主婦や高齢者ら20―70歳代の31人が足立商事に登録しており、時給は900円。他の仕事と掛け持ちしている人もいる。

 

子供いる女性「休暇の取りやすさ」「選べる勤務曜日」重視

2013年、人材サービス会社「リクルートジョブズ」が、子育て世代の女性が望む働き方などについて調査。18歳以上の女性約1万人を対象に行ったインターネット調査から、20―49歳の既婚・子どもありの4281人の結果を集計したところによると、「働きたい」と考えている女性が希望する雇用形態は、75・9%が「アルバイト・パート」。仕事と生活の比重については、「生活中心に考えたい」が53・7%、「仕事と生活のバランスが取れるようにしたい」が43・5%となっている。仕事を選ぶ際に重視するポイントについては、育児や家事の両立が大前提のため「勤務場所」に関する条件が上位を占めるが、「休暇をとりやすい」が36・6%(4位)、「勤務する曜日が選べる」が29・6%(9位)も上位に食い込んでいる。

 

地域の実情に合わせた勤務形態に

大阪市の物流会社に勤めていた足立代表が、2年前に独立して創業。当初は青垣町佐治の倉庫を拠点に卸売業や出荷代行業に取り組んでいたが、次第に業務を拡大。機械化できない出荷作業で人手不足だった大地農園の業務を今年5月から引き受け、春日町の物件を購入して移転した。

地元で独立するにあたり、「子どもの進学資金が必要」「妻が働く場所がない」といった声を知人から聞き、地域には働きたくても働けない事情があることを感じていたという。東京で在宅勤務を取り入れている企業を参考に、地域の実情に合わせた勤務形態を考えた。

足立代表は「今以上に軌道に乗れば、パートの人数を増やしていきたい。軽度の障がいがある人を雇える体制も整え、独立支援ができれば」と話している。

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