兵庫県篠山市出身の画家で、世界でも数少ない、指で絵を描く「フィンガーペインター」として活動する沖縄市在住の西村由郁子さん(34)がこのほど、地元の母校、旧福住小学校でライブペイントを行った。
集まった地域住民ら約100人が見守る中で、縦1メートル40センチ、横3メートルのキャンバスに鮮やかな色合いで、海中を泳ぐウミガメを約30分かけて描いた。
アクリル絵の具15色ほどを使用。指先に直接、絵の具をつけて指を閉じて筆のようにして描いたり、指先を巧みに使って無数の点を散りばめるなどしながら仕上げていった。
幼い頃から絵を描くのが好きだった西村さんは介護の仕事をしながら趣味で創作を続けていた。2014年に旅行で訪れた沖縄の自然の色彩に感動し、間もなく移住。ガジュマルの木を描いた際、ふとひらめいて指で描いてみたところ、自分のイメージに合う表現ができたのが「フィンガーペインター」誕生のきっかけだった。
今年6月に14年続けた介護職を辞め、本格的に画家としての活動をスタート。故郷に住む人たち、友人たちに自分の活動を見てもらいたいとライブを行った西村さんは、「知っている人が多くて緊張したけれど、始まると楽しく描けた。地元の人たちのパワーが伝わり、気持ちがのりました」と笑顔だった。