「不成立」なら行方 流動的に 発言から想定6パターン 市長選、住民投票

2018.11.17
ニュース丹波篠山市市名変更問題

市長選と住民投票結果による 「市名」のパターン予測

市名を「丹波篠山市」にするか否かを巡る住民投票と、篠山市長選挙が11月11日、告示された。法律ではなく、市の条例に基づく住民投票は法的な力を持たず、「市長や議会は尊重しなければならない」とあることや、投票率が50%に達しない場合は開票もされないなどの規定がある。市長選に出馬している前職の酒井隆明氏(63)は変更への「賛成」を訴え、前市議会議員の奥土居帥心氏(60)は賛否を主張していないが、ともに住民投票の結果が大きな判断材料。住民投票、市長選それぞれの結果次第で、市名の“行方”が異なるため、両氏のこれまでの発言などから今後の流れを予測した。

市長選、住民投票の結果から想定できるパターンは6つある=図参照。

変更推進の酒井氏が当選し、住民投票でも「丹波篠山市」が多数を占めた場合、来年5月の元号変更のタイミングで市名が変更される公算が大きい。

しかし、酒井氏が当選し、住民投票で変更「反対」が多い場合、「住民投票の結果を尊重する」としているため、変更の可能性は低くなる。

ただし、「反対」が多い場合でも、制度的には酒井氏が議会に変更を提案することは可能。その場合は、議決権を有する議員たちの判断となる。

今月9日に篠山青年会議所が開いた市議に「意見を聞く会」では、賛成を表明したのが8人、反対は1人。8人は住民投票の結果次第(当時市議の奥土居氏含む)とし、1人は無回答だった。

酒井氏が当選し、住民投票が不成立となった場合について、同氏は、「反応を見ながらやっていく」「不成立になれば、『変更しない』ではなく、自分が判断するしかないと思っている」としているため、変更を進めるとみられる。

一方、自身の賛否を表明せず、「市民の意思を尊重する」としている奥土居氏が当選した場合は、「一票でも多く獲得した意見で進める」と、住民投票の結果に沿うことを表明している。

奥土居氏が当選し、住民投票が不成立になった場合は、「もう一度、私が市長として両方の意見を中立の立場で聞き、短期で解決したい」としており、情勢は流動的となる。

ただ、奥土居氏は、今回の市名変更問題について、推進の立場を取る酒井氏の手法自体に否定的で、「何が何でも丹波篠山にしようとする行動は、篠山市民の対立をより深くする行為」とし、「住民投票を政争の具にしない」と訴えている。

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