秋季近畿地区高校野球大会の準々決勝が10月28日、ほっともっとフィールド神戸で行われ、丹波市立氷上中学校出身の清水大成君(2年)が所属する履正社(大阪1位)が福知山成美(京都1位)を、篠山市立篠山東中学校出身の中森俊介君(1年)が所属する明石商業(兵庫1位)が報徳学園(兵庫3位)をそれぞれ破り、4強に進出した。清水君、中森君はともに投手で、エースナンバー「1」を背負う。同大会の成績は、来春に甲子園球場で行われる選抜大会の出場校を選ぶ重要な資料となり、近畿の出場枠は「6」。両校の選抜出場はほぼ確実となった。
履正社の清水君は、少年野球チームの東レッドソックス、中学時代は兵庫県篠山市の城東グラウンドを拠点に活動する中学硬式チーム「ベースボールネットワーク」の出身。対戦した福知山成美のベンチには、中学時代のチームメートの橋本翔生君(2年、氷上中)、谷掛元基君(同、西紀中)や、市島中野球部出身の阪谷奨真君(同)が控えていたが、甲子園がかかった大舞台での“丹波対決”はならなかった。
清水君は140キロ台の速球と、打者のタイミングをずらすスライダーやカットボールが持ち味の左腕。準決勝では福知山成美打線を無四球、散発3安打で完封。5―0で勝利した。
「今日は打者を追い込んでからの低めへの変化球がよかった。これまでは、ここ一番の所でボールが浮いてしまっていたが、この秋の大会を一つひとつ戦う中で、メンタルの面も含め自分のペースで投げられるようになったと思う。無四球だったことも自信にしていきたい」と自身の成長に手応えを感じている。
「選抜大会に行くんだという気持ちがチーム全員にある。ストレート、変化球のキレがともに良くなるように練習し、後半までしっかり粘れる自分たちの野球がしたい」と意気込んだ。
明石商業の中森君は、準々決勝では登板なし。「先発が崩れたら、すぐに(マウンドへ)行く」つもりでブルペンで待機したが、先発の宮口大輝投手(2年)が4安打完封と好投し、4―0で勝利した。
中森君は、県大会決勝、近畿大会1回戦ともに途中降板しており、「最後まで投げ切れていないので、出番があれば、宮口先輩に続いて、いいピッチングをしたいと考えていた」と話す。
今夏に続く2度目の甲子園がほぼ確実となり、「まずは残りの試合をしっかり戦いたい」とした上で、「(選抜大会が正式に決まったら)この冬でしっかり力を蓄えて、レベルアップした状態で甲子園に臨みたい」と話す。課題としてあげるのがコントロール。調子がよい時のフォームをビデオで確認するなどして調整しており、「課題をしっかりと克服したい」と力を込めた。
準決勝は3日、同球場で行われ、履正社は龍谷大平安(京都3位)と、明石商業は智弁和歌山(和歌山1位)と対戦する。
選抜大会出場校を正式に決める選考委員会は来年1月25日に行われる。福知山成美も今大会準々決勝で敗れたが、出場の可能性は残している。