学食メニュー、自分たちで―。 兵庫県篠山市の篠山産業高校生活科3年で、「食の創造」類型を選択している17人が、同校の学生食堂のメニュー4種類を考案。このほど試験販売を行い、長蛇の列ができるにぎわいを見せた。同食堂を運営する社会福祉法人「わかたけ福祉会」は、生徒たちの反応や原材料費と販売価格のバランスなどを考え、何種類かを正式にメニュー化する。
今年度から同食堂の運営を行っている同法人が、地域貢献、教育支援の一助になればと、同科に学食メニュープロデュースの話を持ち掛け、同科も「学びの実践体験ができる」として賛同した。
17人は9月から、同法人が運営する障害者総合支援センター「スマイルささやま」の栄養士、石井健基さん(39)と原材料費や栄養価などを考慮しながら検討を重ね、▽ビビンバ(300円)▽ピザ風春巻き(2本100円)▽タンドリーチキン(150円)▽かぼちゃコロッケ(100円)―の4品を考案した。
ビビンバは、ピリ辛に味付けしたチキンに、しいたけ、ほうれん草、にんじん、もやし、錦糸卵を盛り付けたボリュームある一品で、春巻きはウインナー、チーズ、ピーマン、玉ねぎ、とうもろこしなどたっぷりの具材にパリッとした食感が食欲をかき立てる。タンドリーチキンはスパイシーなカレー味、かぼちゃコロッケはやさしい甘みとホクホク食感が楽しめる。
生徒の岡崎麻衣さんは、「これまでは自分たちの食べたいものを作ってきたが、商品となると消費者目線を第一に味はもちろんのこと、コストや作りやすさなど、さまざまな制約を乗り越えなくてはいけない難しさがあった。4品はいずれも自信作。できるだけ多くをメニューとして採用していただき、たくさんの人に食べてもらえたらうれしい」と話していた。