兵庫県丹波市氷上町の伊藤武男さん(80)の菜園で1月17日、ロシアの民話「おおきなかぶ」に出てくるような大きな丸大根が収穫された。初めて栽培した鹿児島県の伝統野菜「桜島大根」。あまりの重さに1人で引き抜けず、スコップで掘り出した。葉を切り落として計量すると9・5キロ、直径は27センチあった。「こんなに大きくなるなんて」と目を白黒させている。
ギネス認定のビッグ大根
鹿児島県農産園芸課によると、通常10キロほどだが、大きい物は20―30キロになり、世界一重い大根としてギネスブックに認定されている。果肉が緻密で白いことから漬物や煮物に使われるという。
種苗会社のカタログで見つけ、「寒い丹波で育つか実験してみよう」と遊び心で栽培を始めた。聖護院大根(丸大根)と同じ9月はじめには種。
は種間隔が聖護院は30センチ、桜島は70センチだったことから「うまく育てば大きくなる」と予想していた。葉の色と形が一般的な大根とは大きく異なっており、「本当にこれは大根か」と目を疑った。葉の色が中国野菜「ター菜」のような濃い緑色をしており、葉は天に向かわず、横へ、地表を覆うように広がった。
ひと畝作っており、畑にまだ植わっている。「2月ごろに収穫するのが良いらしい。どこまで大きくなるのか楽しみだけど、あんまり重いと、運べない。友人に配ったので、味の評価を聞くのも楽しみ」と笑った。