「田んぼで踊ってます」 田舎中学生の挑戦 ダンス全国大会で準V

2019.01.29
ニュース丹波市地域

全国2位をステップに夏は全国優勝をと意気込む「NORTH KANSAI」のメンバーと、荻野さん(後列左)=2019年1月10日午後9時24分、兵庫県丹波市氷上町成松で

兵庫県丹波市を拠点に活動する中学生ダンスユニット「NORTH KANSAI」(ノース・カンサイ)が、このほど横浜みなとみらい(横浜市)で開かれた「全国ダンスパフォーマンスコンテスト2018」(一般社団法人キッズダンスパフォーマンス主催)で、全国2位に輝いた。今夏、全国優勝を目指しており、「自信になった」と喜んでいる。

 

個人練習は「田んぼで踊っています」

メンバーは、同市の藤井未空人君と、共に京都府福知山市の河田愛莉さん、岩井羅奈さんの全員中学2年の14歳。ダンス教室「ONE DANCE STUDIO」を主宰するダンサー、荻野伸治さん(30)=丹波市=の指導を受けている。

準優勝したのは、「中高生オープン部門レギュラー編成」の部。荻野さんの振り付けで、制限時間の3分間ヒップホップダンスを踊った。仕上げるのに半年ほど費やした。

宮城県から岡山県まで1年近くかけ全国29会場で予選会があり、準優勝をさらった部門の本選には60組が出場。当日は「今まで踊った中で一番良かった」(藤井君)、「体感が違った」(河田さん)、「みんなの顔が違っていて、自分の気合の入れようも違った」(岩井さん)と会心のパフォーマンスを披露した。

今年8月に開かれる全国の中高生ダンサーが目標にする大会「DANCE ATTACK」で、頂点をねらう。藤井君は「いけるんじゃないかな。優勝します」と笑い、河田さんは「今回は優勝できなかった悔しさがある。夏は優勝したい」、岩井さんは「がんばっても結果がついて来なかったが、今回認められたことで大きな自信になり、もっとがんばろうという気になった」と思いを語った。

荻野さんは、「感性が違う3人が、意見を出し合って高めていった。夏は勝ちに思いを乗せた間違いない作品を作る。3人がどれだけがんばってどんな色を見せてくれるか楽しみ」と微笑んだ。

同ユニットは、2017年4月結成。都市部でない、いなかの中学生でも、「挑戦する環境」を大人が用意すれば、若者は自身の可能性を伸ばしていけることを実証しようと、18歳からダンスインストラクターをし、今も大阪のダンスシーンとつながっている荻野さんが、「全国で勝てるダンスユニット」を掲げ、メンバーを公募。オーディションを勝ち抜いた3人で結成した。

レッスンは週に1度2時間。時に、座学だけになることもある。もう1日自主練日を設けているほかは個人練習で、藤井君は「田んぼで踊っている」という。

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