ブルーベリーの新品種を開発へ―。サプリメントなどを製造販売する「わかさ生活」(角谷建耀知社長=兵庫県丹波市出身)と、同市春日町柚津地区で地域おこしの場作りに取り組む合同会社「丹波地域活性協議会」(LOCASSE TAMBA、清水浩美代表)が、同市の気候と土壌にあった新品種開発に乗り出した。すでに共同で同地区に試験研究農園を設置。10年がかりで品種改良を進め、粒が大きくて甘味が強く、目に良いとされる「アントシアニン」を多く含んだブルーベリーの開発を思い描いている。
社長の思い「故郷に恩返しを」
ロカッセが地域住民から借りたほ場1000平方メートルを農園化。ゆくゆくは1700平方メートルまで拡大する計画で、既存の10品種150本を地植えとポットで栽培し、品種改良を進める。農園の一部は地域に開放し、収穫期には摘み取りが楽しめるようにする。
わかさ生活によると、同社が農園を設置したのは初めて。以前から、角谷社長は自身が育った故郷への恩返しをと、丹波市に農園を設置してブルーベリーの新品種の開発を夢見ていたという。
一昨年に設立したロカッセは、同地区の空き家を活用し、飲食をメーンに据えた事業を準備中。今春、敷地内で同社直営のフード店に加え、パン店やピザ・バーベキュー料理店などの開店を計画している。
清水代表は、以前からブルーベリーの栽培に興味を抱いており、今回、わかさ生活との思惑が一致。ともに開発に乗り出すことにした。
2月6日には、関係者らが4品種30本ほどを植えた。わかさ生活社員で、新品種開発プロジェクトチーム代表の鍬田茉南未さんは、「丹波の風土に合ったブルーベリーを作り、地域の人に味わってもらうことで豊かな心と健康を提供できれば」と意気込む。ロカッセの清水代表(神戸市)は、「飲食などを通じて人を呼び込み、ブルーベリーも食べてもらいたい。柚津地区に来たら楽しいと思える空間にできたら」と話している。