「吊るし雛」がお出迎え 織田家ゆかりの町で 各所にひな人形飾るイベント

2019.03.21
ニュース丹波市地域

手作りの吊るし雛が華やかに飾られた展示会場=2019年3月20日午後4時56分、兵庫県丹波市柏原町

兵庫県丹波市柏原町で21日、「丹波かいばら雛(ひな)めぐり」が始まった。江戸時代から平成までの雛人形を町内17会場で展示し、町全体を“雛”で埋めるイベントで、手作りの「吊(つ)るし雛」を各所に飾るのが最大の特色。訪れる人々をたくさんのひな人形が出迎える。

さまざまな形をした吊るし雛を作る女性たち=2019年2月9日午後8時47分、兵庫県丹波市柏原町で

 同町は織田信長の実弟、信包(のぶかね)が初代藩主となった柏原藩。織田家ゆかりの人形や稲畑人形、押し絵の展示や、名園の公開、グルメイベント、体験教室などもあり、多彩な催しで盛り上げる。

 ひなまつりといえば3月3日の桃の節句のイメージだが、兵庫・丹波地域では旧暦の3月3日、つまり1カ月遅れの4月3日にかけてひなまつりを祝う習慣が残っており、この時期に設定されている。

実行委員長の西垣伸彌さんは「春休みの期間中でもあり、お子さんを連れて訪れてほしい。そして、雛人形を飾って子どもの成長を願った日本古来の文化を再認識してもらえれば」と話す。

 

70人近くで作る「吊るし雛」

 吊るし雛は、町内の自治会や有志グループ、手芸グループなど7団体が制作、70人近い作り手がいる。昨年に続き2年目。吊るし雛の作り方を紹介した本に載っている型紙を参考にして作る。ミカンやイチゴなどの果物、大根やニンジンなどの野菜、桜や梅などの花、魚類、昆虫、鳥など種類はさまざまだ。

 「丹波かいばら雛めぐり」の実行委員会副委員長を務める荻野眞知子さん(69)は、「城下町柏原は、柏原藩邸や柏原八幡宮を中心としたコンパクトなまち。散策するのに手ごろな距離なので、城下町を歩きながら雛めぐりを楽しんでほしい」と来場を呼びかけている。

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