運動会の時しか歌いません 「唱歌」105年ぶりリニューアル 戦争連想部分を差し替え

2019.03.17
ニュース丹波市地域

105年前の運動会唱歌をリニューアルし、元気に唱歌を披露する6年生たち=2019年2月27日午後2時19分、兵庫県丹波市山南町井原で

兵庫県丹波市山南町の小川小学校には、1914年(大正3年)につくられた、運動会のときだけに歌う唱歌が存在する。校歌とともにつくられたもので、歌詞は記録として残っていたものの楽譜は残っておらず、70年近く歌われていなかった。学校の遺産でもある唱歌を復活させようと、このほど同校6年生(18人)が、歌詞を105年ぶりに“リニューアル”した。

 

6年生が新しい歌詞考案

「前にそびゆる至り山 後に立てる岩屋山 ふもとめぐる佐治川や 大くも川を近く見て」(1番)で始まる運動会唱歌はもともと8番までだった。曲は御影師範学校付属小学校で歌われていた「運動歌」と同じで、同校の承認を得て使用したものという。

今年度、6年生を担任している余田勝子教諭が4年前、同校の「見守り隊」を務めていた男性(83)から、「運動会唱歌を歌ったことがある」と聞き、男性に採譜を依頼。その楽譜を基に余田教諭が編曲した。児童たちは翌年から1番だけを運動会で披露していた。

8番の歌詞が戦争を連想させる内容だったため、6年生は8番を差し替え、新しい歌詞を考えた。また、新たに9番の歌詞を加え、「平成版」を完成させた。

 

「幸せ感じ、未来に残したい」

完成会では、児童たちが余田教諭のピアノ伴奏で元気いっぱいに運動会唱歌を1番から9番まで歌った。参加した地域住民は「運動会唱歌を調べることで、小川地区がこんなところだったと記憶に残るだろうし、これからも残していってほしい。将来、小川地区のためにがんばって」と期待した。

女子児童は「楽しく遊んでいる姿を歌詞にした」と言い、別の女子児童は「幸せを感じ、未来に残したい思いで歌詞を考えた」と話していた。

児童たちが考案した8、9番の歌詞は次の通り。

 

【8番】
木かげに寝そべり笑い合い みんなで一緒に しゃべりあい 野原をかけておにごっこ 夕焼けうしろにまたあした

【9番】
自由にくらせるこの町で 未来へ走れ小川っ子 元気と笑顔を忘れずに 友とのきずな深めます

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