一般企業への就職をめざす特別支援学校の卒業生ら障がいがある若年層の「就職予備校」をめざし、兵庫県丹波市で4月から障がい者の就労を支援する事業がスタートする。地域の課題解決と社会貢献をめざし設立された一般社団法人「am*am」(八尾由江代表理事)が始めるもので、学校のように通いながら、電話応対など社会で必要なスキルを身につけつつ資格取得への学習を進めたり、農作業に取り組むなど、就職に向けたサポートをしていく。
電話や接遇学び「作業」も実施
障害者総合支援法に基づく、就労支援サービスの一つで、「志進館」の名称で展開する。原則18歳以上で定員10人。
月―金曜の午前9時半―午後3時で「通学期間」は原則最長2年。その人に合ったプログラムを立て、2年のうちに就職できるよう支援する。就職先を探す手伝い、「志進館」卒業生を受け入れた事業所のサポートにも取り組む予定。
時間割があり、午前中は、自己理解や、言葉遣い、身だしなみ、電話や接遇などを学ぶほか、例えばパソコンの資格取得など、利用者個々が自身の強みを磨く「プログラム」の時間。午後は「作業」と「スキルアップゼミ」。食品製造や農作業に従事し、「ゼミ」の時間でプログラムで学んだことを生活に落とし込み、1日を終える。
最初の1年で就職準備をし、2年目はスタッフの知り合いのつてを頼り、就業体験を頻回に行うイメージ。就労支援員、職業指導員、生活支援員が常駐する。
「利用者の自己実現手伝う」
八尾代表理事は、元教師で、特別支援教育コンサルタントとしての勤務経験があり、発達障害の子らと関わってきた。特別支援学校を卒業し、社会に出る時の選択肢の少なさを痛感し、「予備校」開設に至ったという。
「主役は自分自身。自分がどうしたいか、利用者の自己実現を手伝う。就職へのステップに、いつでも利用してもらえれば」と話している。