兵庫県丹波篠山市西町の田中安治さん(70)宅の庭で、ラン科の植物「セッコク」が無数に咲き誇り、家の人や友人らを楽しませている。
田中さん宅は築200年にもなる古民家。家の裏には、松やツツジなどの庭木が植わり飛び石が敷かれた約36平方メートルの庭があり、庭の各所に置かれた岩にたくさんのセッコクが着生している。
白い花を庭全体にちりばめたかのように、”わびさび”の漂う庭にアクセントを添えている。ピンクがかったものや、薄い緑色のものもある。
「私が嫁入りしてきた当時は2つの岩にわずかにくっついていた程度だった」と妻のと紀代さん(70)。20年ほど前から安治さんが本格的に世話を始め、数を増やしてきたという。
安治さんは、「例年に比べ、花は小ぶりで、咲いている数も少ない」と言いつつ、「派手さはないが、しとやかな美しさと、ほのかに漂う香りがなんとも」とにっこり。
と紀代さんも「セッコクの時期になると友人たちと花を眺めながら食事をするのが恒例行事。見ているだけで心が和みます」と話している。