「全国山地災害防止キャンペーン」(6月30日まで)の関連行事として募集された今年度の山地災害防止標語コンクールで、兵庫県丹波市柏原町の村岡孝司さん(76)が最優秀賞の林野庁長官表彰を受けた。村岡さんの作品「語り継ぐ 治山の役目と 被災の歴史」を掲載したポスターやパンフレットが全国で使われている。”標語投稿愛好家”の村岡さんは、「全国交通安全年間スローガン」で前人未踏の4度の総理大臣賞を受賞するなど、これまで数々の標語コンクールで栄冠に輝いている。
村岡さんは、2014年8月に同市などを襲った豪雨災害で、山地災害の恐ろしさをまざまざと見せつけられたと言い、毎年のように全国各地で同様の災害が繰り返されていることから、治山治水事業の大切さを再認識すると共に、被災した地域はその歴史を語り継ぎ治山治水事業を推し進め、その役目を伝えていってほしい、との思いを標語に込めた。
日本治山治水協会が募集。応募数3067点。同コンクール最優秀賞受賞は2004年以来、2度目。優秀賞・奨励賞を過去6回受賞している。
先日、市島町前山地区の復興砂防公園を見学に訪れた村岡さん。「多くの事業がなされていたが、災害前に整備されていたら、より被害を少なくできたのではとの思いも持った。標語が、治山治水に関心を持ってもらうきっかけになればうれしい」と思いを語った。
標語投稿のきっかけは、1970年に氷上郡(現丹波市)交通安全協会が実施した標語の募集。そのため、とりわけ全国交通安全年間スローガンの標語には力を注いでいるという。2017年には最優秀となる内閣総理大臣賞を「行けるはず まだ渡れるは もう危険」で受賞。別の作品で全日本交通安全協会会長賞も受賞した。昨年は同協会長賞と警察長官賞に輝き、ダブル入選した。