拡張型心筋症を患い、募金活動で米国に渡米し、心臓移植手術を受けた京都府福知山市の後一尊(ごいち・たける)ちゃん(3つ)と両親が24日、兵庫県丹波市氷上町を訪れ、「たけるくんを救う会」の八尾正幸代表(64)に元気な姿を見せた。八尾さんは「生死の瀬戸際というシビアな時期もあったので、こんなに元気になってくれて感動している」と満面の笑みを浮かべ、再会を喜んだ。
一昨年11月にアメリカで手術を受けた後、帰国。1年間、大阪府内の病院で入院し、昨年11月に退院、生後4カ月から3年あまりの入院生活に終止符を打ち、福知山市内の自宅で家族と穏やかな日々を過ごしている。
外で遊ぶことはまだできないが、来年度から保育園に通えるようリハビリに取り組んでいる。長く開いていた気管切開の穴もふさがり、発語が増え、つかまり立ちができるように。母の美優紀さん(28)は、息子の急成長ぶりに目を細め、「みなさんの協力のおかげ。感謝しかない」と、元気いっぱいの尊ちゃんをあやしながら話した。
美優紀さんは丹波市に住んでいたことがあり、小学校時代の同級生たちが助けになったという。
父の充宏さん(35)は、「みなさんに助けてもらったので人を助けられる優しい子に育ってほしい」と思いを語った。
生後4カ月で拡張型心筋症と診断され、医師に心臓移植手術を受けるしか助かる道はないと言われ、渡米を決意。移植にかかる医療費や渡航費など目標にしていた3億2000万円を募金活動や、同病の患者会の寄付などで集めた。残金約2200万円は、兵庫県内の同病の小児患者を救う会に寄付した。