兵庫県丹波市内で初めての傾聴ボランティアグループ「虹」が発足した。「これまで生きてきた人生を肯定してほしい、認めてほしい」という高齢者などの思いを聴き、ありのままに受けとめ、”心の介護”を目指すのがねらい。6月26日に設立総会を開き、活動計画などを決めた。竹村富美代代表(68)は「利用者の話に耳を傾け、気持ちに寄り添い、生きる元気につなげたい」と話している。
「虹」では、傾聴研修を重ね、スキルアップをはかりながら、利用者や会員を増やす活動に力を入れる。利用できるのは、丹波市内在住で、「心の触れ合いを求めている人」。ひとり暮らしの高齢者、施設入所の高齢者、介護している人など。利用料は1回300円(1回あたり1時間程度)。家事や身体介護はできない。竹村代表に電話をかけると、メンバーが2人1組になって、本人や家族と出会い、利用者宅や入所施設、公共施設など希望の場所に出向いて面談する。
同グループは、丹波市にある県立丹波の森公苑で開講している高齢者大学「丹波OB大学大学院」の2年生全員で10人。地域実践活動のテーマとして、傾聴ボランティアを選んだ。無理なくできることや高齢化が進行するなか、傾聴活動のニーズは増加し、地域社会に役立つ、などと見られることから傾聴を活動テーマにした。大学院修了後も継続する。
総会では、丹波篠山市の傾聴ボランティアグループ「ラビット」のメンバーで学年代表の眞鍋務さん(65)=丹波篠山市河内台=が設立の経緯を説明。規約や活動計画などを決めた。大学院1年の昨年10月ごろから、地域実践活動のテーマを決める討議を始めるなどグループ設立の準備を進め、今年の1月には「傾聴ボランティア養成講座」を受講し、丹波市社協にボランティア登録も行った。
虹は「がんばってきたこと、不安や悩み、心のうちにたまった思いなど、どんなことでも気軽に話してほしい」と呼びかけている。