甲子園球場で行われている「全国高校野球選手権大会」12日目の18日、準々決勝で地元兵庫代表の明石商業と八戸学院光星(青森)が対戦。明石商業が7―6で接戦を制し、春夏連続でベスト4に進出した。明石商業のエースで、兵庫県丹波篠山市出身の中森俊介投手(2年)は7回裏から登場。自己最速151キロをマークするなどし、試合を締めくくった。中森君は、「声援が力になった。日本一を目指して、1試合、1試合を大切にしていきたい」と気合を入れていた。
明石商業は初回から打線が爆発。4番・安藤碧君、5番・宮崎涼介君の連続タイムリーなどで3点を奪うと、2回には再び安藤君がバックスクリーンに飛び込む3ランホームランを放った。
しかし、八戸学院光星も反撃。3、5回に2得点をもぎとり、6回には追加点をあげ、6―6の同点となった。
中森君は7回裏、2アウト3塁の場面で登板。一打逆転のピンチにも、151キロのストレートなどで冷静に打者を仕留めた。
明石商業は8回に相手投手の暴投で1点を奪い、勝ち越しに成功。中森君はその後も140キロ台後半のストレートで攻め続け、ラストバッターをフライに打ち取り、勝利の雄たけびを上げた。
「投げたい気持ちでうずうずしていた」という中森君は、「先輩(杉戸理斗投手、溝尾海陸投手)がつないでくれたので、絶対に自分が抑えると思っていた」と言い、「疲れはない。日本一を目標に、あと2試合投げたいと思う」と気を吐いた。
また、自己最速をマークしたことについては、「特別なことをしてきたわけではなく、基本を毎日コツコツしてきた成果」と冷静。準決勝では今大会ナンバーワン投手との呼び声が高い奥川恭伸投手を擁する星稜と当たる可能性もあることについては、「奥川さんはすごい投手。投げ合ってみたい」と期待に胸を膨らませていた。
明石商業の狭間善徳監督は、「2年生の中森の体力では準々決勝から決勝まで三つ投げるのは無理。きょうは、2、3回と言っていた。(7回裏の交代は)相手が当たっていて、1点もやれない場面だったので起用した」と継投について語っていた。