兵庫県の丹波篠山市はこのほど、西紀老人福祉センターで介護教室「おむつの選び方・使い方講座」を開いた。多くの種類がある大人用のおむつの中から、その人に合ったおむつの選び方、使い方を学ぶのがねらい。介護している人や事業所のスタッフなど約20人が参加した。
同県丹波市山南町野坂で、排泄に関する悩みを抱えた人や家族に適切な情報を提供する排泄用具情報館「むつき庵丹波」を開設している中岡恵美さんが講師を務めた。
中岡さんは、排泄介護は、される側にとっては恥ずかしいという気持ちがある、最もデリケートなケアであることを意識すべきだと説明。自分たちが素材、色、履き心地で下着を選ぶように、介護される側にとって、おむつは下着であり、暮らしを向上させるものであって、おむつをしたことで気分が落ち込み、人に会いたくなくなったり、買い物や旅行にも行けなくなっては意味がないと強調した。
失禁など排泄のトラブルが生じた時は、認知機能なのか、身体機能なのか原因を知ることが大切で、不安があれば専門的な治療を受けることを勧めた。高齢者の肌は弱いため、おむつは肌に負担をかけると理解した上で、おむつ選びが必要と説明。介護する人の性別、症状、尿の量によってパンツと、尿を吸収する各種パッドを組み合わせる方法などを解説していった。
具体的な商品の説明や、基本的なおむつの替え方の実演もあり、参加者たちは熱心に聞き入っていた。中岡さんは、「介護する側、される側のお互いが気持ちのよい『快互』をめざしたい」と締めくくった。