「雑がみ」知ってますか? 兵庫県丹波篠山市で、女性の視点でさまざまな課題に関する提言を行う「女性委員会」(7人、本荘賀寿美委員長)がこのほど、同市役所を訪れ、酒井隆明市長に対して提言書を提出した。可燃ごみの中に再利用可能な「雑がみ」が混ざっていることが多いため、「雑がみ回収促進袋」の作製を提案。分別の意識を高めることを通して、貴重な資源や自然環境を守りながら、「住み続けていきたいまちの創造」を呼び掛けた。提言を受けた酒井市長は、「実現させたい」と前向きな姿勢を示した。
「雑がみ」はコピー用紙やお菓子の空き箱、紙袋、トイレットペーパーの芯、パンフレットなどの総称で、分別することで再利用が可能になる。しかし、可燃ごみのうち、紙や布類が占める割合が約6割に上っていることから、分別が徹底されているとは言えない状況となっている。
そこで同委員会は、「回収促進袋」のサンプルを作製。「紙はゴミやないで!」をキャッチフレーズに、表面には雑がみの種類を掲載し、裏面には古紙がどのようなものに生まれ変わっているのかを載せた。
袋がいっぱいになると、別の紙袋に入れ替えるなどして、市役所などで毎月行われている資源ごみの拠点回収に出す流れを目指す考え。
雑がみの回収袋は、県内では加古川市や伊丹市が取り組んでいるという。
ほかに、市の指定ごみ袋が日本語だけの表記になっており、外国人居住者にもわかりやすくするために、英語や韓国語、ベトナム語、ポルトガル語などの6カ国語で注意書きを書いてはどうかという提案も行った。
委員らは、「自分自身、『雑がみ』という言葉を知らなかったが、本来、資源になるものを捨てているということ。ぜひとも回収袋を作製してほしい」と呼びかけた。
酒井市長は、「人は生活するうえで毎日ごみを出しているけれど、できるだけ再利用を進めるべき。そのためには心がけだけでなく、仕組みが必要。実現の方向で取り組んでいきたい」と話していた。
本荘委員長は、「前向きな言葉をいただき、ありがたい」とし、「未来の子どもたちに今の資源や風景を残していくきっかけになれば」と話していた。