田んぼから石器出たぞ~ 大発見ではないけど「悠久の歴史感じる」 弥生の石包丁など発見

2019.09.24
ニュース丹波篠山市歴史

口阪本の田んぼから見つかった「石包丁」(左)と「石鏃」=兵庫県丹波篠山市北新町の市教委で

兵庫県丹波篠山市口阪本の田んぼでこのほど、地元住民が弥生時代のものとみられる石器の「石包丁」と「石鏃(せきぞく)」(矢じり)を見つけ、市教育委員会に持ち込んだ。一帯は弥生―中世にまたがる「口阪本遺跡」。石包丁は以前にも出土しているが、石鏃は初めて見つかった。価値としては”大発見”とは言えないものの、住民らは、「大昔から、この場所に集落があったり、田畑があったりして、今の私たちと同じようにコメを作って暮らしていたのだと思うと、悠久の歴史を感じずにはいられない。これからも田畑を守り続けていきたい」と話している。

石包丁は両側が欠けている一部で、縦5・5センチ、横3・4センチ、厚さ1・2センチ。片側が刃状になっており、穀物の穂を摘み取る道具として使われた。石鏃は完形で、横1・8センチ、縦2・5センチ、厚さ6センチ。ウサギなどの小動物を射止めるため、矢の先端部分に取り付けられた。

石器が出土した遺跡の田んぼ

市教委文化財課によると、ともに奈良と大阪の県境にある二上山や香川県で産出する岩「サヌカイト」で作られたものとみられるという。発見地の遺跡は、1977年度に発見され、翌78年度、ほ場整備に伴って発掘調査が行われた。弥生式土器や石包丁、鎌倉時代の器、羽釜など、時代をまたぐ遺物が確認されている。

同課は、「身近なところに遺跡がある。足元に昔の人々の営みがあるということに思いをはせてもらえたら」と話している。

発見者の女性は、「ここら一帯が遺跡であったことを知っていたし、以前から、この田畑から中世の土器の破片などが出てきていたので、特に驚くことはなかった」と笑顔で話していた。

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