有機野菜を手がける兵庫県丹波市氷上町の「井上農園」(井上陽平代表)を5日、同県神戸市のホテルレストランの料理長が訪れ、コシヒカリの特別栽培米の稲刈りを体験した。同農園が開発、販売する小麦不使用の米粉めん「丹穂(たんぼ)めん」を使った、「紅ズワイガニのあんかけ」を12月から提供するため、原料の生産現場を訪れた。料理長は、黄金色に実った稲穂に感激していた。
「ホテル ラ・スイート神戸ハーバーランド」内のレストラン「鉄板焼心」の木下学統括料理長(43)。5月に植えた緑色の苗が4カ月ほどで頭を垂れる稲穂に育ったのを見て「うれしい。成長が早い」と喜んだ。
「丹穂めん」は、子どもの小麦アレルギーをきっかけに、井上さんの妻、絢子さん(37)が開発した。5年ほど前から「丹穂めん」と名付け販売している。開発を助けた県6次産業化プランナーが、井上さんと同ホテルの運営会社をつないだ。井上さんは「いろんな人に食べてもらい、アレルギーで困っている人のもとに届けば」と言い、木下さんは「様々なお客様が来店される。安心して食べられるめんがあることを多方面に発信する力になれるのでは」と話していた。