ドローンでカラス追い払え 農作物被害に効果期待 タカやワシの鳴き声で試験飛行

2019.09.30
ニュース丹波市地域

ドラム缶を叩く音、猟銃の音などを流しながら飛行するドローンを見学する農会会員たち=兵庫県丹波市春日町多田で

カラスによる農作物被害を防ごうと、兵庫県丹波市春日町でこのほど、ドローンを使ったカラス撃退飛行の試験が行われた。スピーカーを搭載した小型のドローンが、タカやワシの鳴き声、ドラム缶を叩く音、猟銃の音などを流しながらカラスがいそうな山際を飛行。慌てた様子で飛び立つカラスを確認した会員たちは「効果があるかも」と期待していた。

同町多田地区の農会が試験を行った。同地区では以前から、特に夏野菜を狙ったカラスの被害に悩まされている。これまで檻による捕獲を試み、一定の成果を上げたものの、檻に仕込む残飯などのえさの確保に苦労し、対応を市に相談していた。

市を通じ、ドローン飛行の講習を行う「丹波ドローンスクール」(笹川一太郎理事長)を紹介してもらい、試験飛行を行うことに。市も、同地区以外にもカラスの被害に悩む地域があることから、対策の参考にしようと、ドローンから流す音源を提供するなど協力した。

多田北農会の荻野廣行会長(66)は試験飛行を終え、「効果はあったと思う。ただ、一度飛ばしてもまた戻ってくるので、自治会でドローンを飛ばせるように購入し、操作できる人を確保することも必要かと思う」と話していた。

同スクールの笹川理事長(68)は、「今日はドラム缶を叩いた音や猟銃の音に効果が見られたが、そればかりだとカラスも慣れる。カラスが嫌がる音の研究が今後の課題」と話していた。

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