「兵庫県丹波市シルバー人材センター」に、庭木のせん定依頼がさばききれないほど多く寄せられている。同センターのせん定班は市全域で30人弱だが、昨年度は1000件を超える依頼があり、今年も依頼が多く寄せられているため、受付を一時中止している地域もある。
今年も9月末で約840件が寄せられている。10月いっぱいかかっても作業が追い付かない地域もあるという。同センターでは、費用が、プロの業者と比べ6割程度で済むのが魅力に映っていると見ている。
同センターは、会員の技術を高めると共に、けがなく作業に従事してもらおうとこのほど、市内で「せん定講習会」を開いた。日ごろ、せん定に従事している会員らが座学と実技で技術を高めた。
同市山南地域せん定班の藤原亘さん(76)と、山下晃雄さん(76)が講師として手本を見せ、会員がせん定バサミでイトヒバを、バリカンを使ってマキを刈り込むなど、植木をすっきりさせた。2人は、樹種によって異なる仕立て方を教えたほか、転落防止のために脚立の天板には立たないなどと、安全上の留意点も伝えた。
同市春日地域せん定班の細見勉さん(68)は、「片付けなど助手的な事をしている。見よう見真似で先輩の技を盗もうとしているが、なかなか難しい」と笑っていた。
キャリア5年の山下さんは、藤原さんに教わった。「良き先輩がおれば、みなさんもできるようになる」と言い、経験12年の藤原さんは「自分で道具をそろえる必要はあるが、仕事は、回りきれないくらいたくさんある」と話していた。