はかなくも美しく―。兵庫県丹波市氷上町の山口巧さん(56)宅でこのほど、一晩しか咲かないことで知られる「月下美人」が20輪の花を付けた。前日には5輪、7月と8月にも計10輪以上が開花し、「今までは年に1つか2つしか咲かなかった。とてもうれしい」と喜んでいる。
午後7時ごろから花が開き始め、数時間をかけ満開になった。鉢植えで育て、普段は屋外で管理しているが、この日は台風のため玄関内に移動。華やかで甘い香りが家中に広がった。
5年ほど前、知人の引っ越しを手伝った際に譲り受けた。当時は株が傷んでいたが、水やりや施肥などで徐々に回復。10輪が咲いた今年8月は、門柱の上に置きライトアップし、通り行く人にも楽しんでもらった。
夏の花が終わった時点で花芽が多く残っており、「これからどうなるのだろう」と楽しみにしていたという。
夏に門柱の上に置いたため、「例年よりも日当たりが良かったのかも」と話す。「夜に咲くのがはかない。ずっと大事にしたいですね」とほほ笑んでいた。