兵庫県丹波篠山市大沢の障がい者就労継続支援A型事業所「ワークスペースSora」は、箱折りやタオルの箱詰め作業などの軽作業のほかに、障がい者就労継続支援事業所としては珍しい、野球に関連した仕事にも挑戦している。
今年7月には夏の甲子園を目指す神戸広陵学園高校硬式野球部のボールの補修作業を行い、9月には、同県三田市を拠点に活動している関西独立リーグ「兵庫ブルーサンダーズ」(以下・ブルサン)の試合でチケットもぎなどに従事した。
これらの仕事を手配したのは同事業所支援員の藤原健太さん(33)。草野球仲間を通じて神戸広陵高校とつながり、28歳の頃、ブルサンの職員をしていたことが今回の仕事に結びついた。
9月のブルサンの試合運営の主な仕事内容は、チケットもぎとパンフレットの配布、グッズ販売で、同事業所で働き始めて共に3カ月という眞田大輔さん(25)と、女性利用者が従事した。
人見知りでコミュニケーションを取るのが苦手という眞田さんは、「仕事を通して社会とつながりを持てた貴重な体験だった。これからも徐々に社会に出て行って、自分の成長につなげていきたい」と話し、「障がいがあるためできないことが多いが、できることもたくさんあるということを、多くの方々に知ってもらいたい」と力を込める。
藤原さんは、「利用者の皆さんには、さまざまな職種を経験していただき、将来、自信をもって一般企業で働く、そんな目標が持てる足掛かりにしてもらえたら」と言い、「次はスコアボードのボールカウントの表示対応やボールボーイなどもさせてもらえないかな」と話している。