極論「ゼロ円」譲渡も可 休館中の公設宿泊施設 市が運営する事業者募集中

2019.11.08
ニュース丹波篠山市地域

現在休館中の王地山公園ささやま荘=兵庫県丹波篠山市河原町で

黒大豆で有名な兵庫県丹波篠山市河原町にあり、経営難のため8月末で休館となった公設宿泊施設「王地山公園ささやま荘」について、市は1日から、施設を運営する民間事業者の公募をスタートした。応募事業者から事業計画を募る「プロポーザル方式」で、建物の譲渡費用や土地の借地料も含めて、事業者から提案を受けるなど、自由度の高い公募。極論で言えば、「ゼロ円」での建物譲渡、借地も可能になる。応募の登録申請を30日まで受け付け、審査を経て、来年2月ごろに事業者を決定する。

鉄筋コンクリート造り3階建てで、延べ床面積は2578平方メートル。1963年に国民宿舎として開館し、84年に改築。2002年にも改修と一部改築を行っている。

洋室のシングルが7部屋、ツインが10部屋。和室が6部屋、和洋室が1部屋。ほかに大宴会場や広間、レストラン、大浴場、売店などがある。

事業者は市内外を問わず、条件は(1)建物譲渡と土地賃借(2)建物・土地の賃借―のいずれか。

施設は市が「宿泊、および飲食の施設」と設定しているが、用途は事業者の自由。ただし、審査では宿泊や飲食での用途を評価するほか、特産、観光振興、地域への寄与に重点を置く。

譲渡価格も応募者が設定。ただし、原則として契約満了後は建物を除去し、更地にして市に返還する。取り壊しの経費は約7700万円と試算している。土地の借地料も提案を受けるが、市は年間約278万円を基準に設定。契約期間は10年から30年が基本で、こちらも提案を受ける。

名称は継続して使用することもでき、変更も認める。

事業提案の提出期間は12月23―25日。プレゼンテーションや2度の審査会を開き、2月に事業者を決定。再オープンの時期は事業者の提案による。

市は、「市として評価したい点はあるが、事業者からの提案次第。応募に期待したい」と話している。

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