かつての薬局を交流の場に 江戸期創業も長らく空き家 「形変え何かが始まれば」

2019.12.09
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コミュニティスペースとしてよみがえったセンバヤの内装=兵庫県丹波市青垣町佐治で

兵庫県丹波市青垣町の佐治商店街でこのほど、かつて薬局だった空き店舗が、地域のコミュティースペースとしてオープンした。オーナーは「かつてのようににぎやかにはならないが、違った形で何かが始まれば」と期待している。

1818年創業で2006年に閉店した「センバヤ」。同町佐治地区をフィールドに空き家活用を研究、実践する関西大学の研究室の卒業生でつくる一般社団法人「カンデ」(出町慎理事長)が、現在はニューヨークで暮らすオーナーから物件を借り、改修した。

高校卒業の18歳まで佐治地区で過ごしたオーナーは、昭和40年代、50年代のにぎやかだった同地区のまちを知っており、空き店舗になったり、建物が取り壊されて空き地になるのを寂しい気持ちで見ていた。「センバヤ」が地域に役立てばと、イベント時には、空き店舗を関西大学佐治スタジオなどに貸していた。

大都市のニューヨークで、1軒の老舗が閉まり、まちが死んだようになったのを経験したことで、胸に抱いていた「センバヤ」活用の思いが強くなり、旧知の出町さんに相談。改装して活用することにした。

出町さんは、「カンデの事業として、常設のカフェを開きたいと考えている。場所貸しとして、地域のグループなどに使ってもらうことも考えている」と言い、空き家を借りて改修し、貸す事業の第1弾という位置付け。オーナーは「電気が点いて、戸が開いている。ここに誰かがいる、という気配を感じてもらい、何かが始まれば」と期待している。

1階部分70平方メートルは改装途中。完成は年末ごろ。年明けから利用できるようルールづくりなどを進める。

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