兵庫県丹波篠山市内で昨年5月に発生した公用車の事故でけがを負った再任用職員が、市に対して約1000万円の損害賠償を求めた訴訟で、市は職員に290万400円を支払い、和解することを決めた。18日、同市議会本会議に関連議案を提出し、可決された。
事故は昨年5月1日午後3時40分ごろ、同市内の県道で発生。市職員の運転する車が操作ミスで対向車線を越えて農地に突っ込んだ。この事故で同乗していた再任用職員が胸椎圧迫骨折の重傷を負い、自賠責保険後遺障害の「脊柱に変形を残すもの」に認定された。
再任用職員は市に対し、治療費や後遺障害による逸失利益、慰謝料を含む約1370万円のうち、自賠責保険や公務災害補償などで既に支払われたものを除く1035万円の支払いなどを求め、神戸地裁柏原支部に訴訟を起こしていた。
▽後遺障害の等級に相当する労働能力の喪失があったか▽逸失利益の額が妥当か―が主な争点となり、裁判所は慰謝料として290万円400円を支払うことで和解するよう勧告した。
費用は市が加入する全国市有物件共済会の支払い対象となったため、市の費用負担はなかった。