「子」彫り物と目が合う? 神社のぐるりに「干支」 作者不明も精巧に

2020.01.13
ニュース丹波市地域地域

から突き出るように彫られた「子」。奥に「丑」「寅」も見える=2019年12月25日午後1時28分、兵庫県丹波市青垣町栗住野で

珍しいネズミの彫り物が、兵庫県丹波市青垣町の蘆井神社本殿にある。柱から突き出るように、頭部が彫られている。

本殿の四方に十二支が、「子」から順に彫られている。ネズミは歯まで彫られており、下から見上げると、目が合うようになっている。「巳」は鱗まで1枚1枚精巧に彫られている。

同神社の創立年は不詳で、天正年間(1573―91年)に芦田吉宗が社殿を再建。江戸時代に何度か改修、改築されている。

彫り物師の銘がなく、誰が彫ったのか判然としない。丹波地域の神社仏閣に多くの装飾彫刻を残した中井権次一統の作という説がある一方、十二支を頭部だけで表現する技法は中井一統より時代が古いという説もある。また、1740年前後に活躍した浪花彫物師、草花平四郎の作という説もある。

関連記事