令和になって初めての小倉百人一首競技かるたの日本一を決める「第66期名人位決定戦」(全日本かるた協会主催)が11日、滋賀県大津市の近江神宮で開かれ、粂原圭太郎名人(28)=京都大学かるた会=が、挑戦者の元名人、岸田諭八段(32)=篠山かるた会=を破り、初防衛を果たした。
競技かるたは、小倉百人一首を「五七五」の「上の句」と、「七七」の「下の句」にわけ、読み手が詠む上の句から該当する札を判断し、下の句だけが書かれた札を取る競技。100首ある札のうち、50枚だけを使用(場にない札は空札)。取り札を自陣、相手陣に25枚ずつ並べ、自陣の札が先になくなった方が勝利する。
札を覚える記憶力、いち早く札を取る瞬発力、それらを長時間にわたって維持する集中力など、まさに「心技体」が求められ、”畳の上の格闘技”とも言われる。
名人戦は3本先取したほうが勝利する方式で行われた。
1回戦から頂上決戦にふさわしい白熱した五分五分の名勝負になり、最後は互いに自陣の札が1枚のみという「運命戦」に。98枚目で岸田八段側の札が詠まれた。
2回戦は序盤から粂原名人のペースで進み、一時は8枚差をつけたものの、岸田八段がじりじりと追い上げ、最終的には3枚差で勝利。3、4回戦は粂原名人が岸田八段を攻め込んで2戦連取し、最終戦にまでもつれ込んだ。
5回戦は粂原名人が岸田八段を圧倒し、13枚差で勝利を収めた。
昨年、名人位に就いた粂原名人は今回が初めての防衛戦だった。
同時に行われた「第64期クイーン位決定戦」も最終戦にもつれ込み、山下恵令名人(34)=東京明静会=を、挑戦者の本多恭子六段(28)=大津あきのた会=が破り、新クイーンとなった。