うそでも笑って免疫力アップ 認知症予防にも「笑いヨガ」 喜ぶ「ふり」で脳だます

2020.02.19
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「笑いヨガ」について講演する梅谷さん=兵庫県丹波市市島町上田で

兵庫県丹波市の高齢者の学びの場「市島OB大学」(約220人)の閉講のつどいがこのほど、同市内であった。約160人が出席。日本音楽療法学会認定の音楽療法士、梅谷浩子さんが、「笑いヨガ」の講演を行い、「笑うことでがん細胞もやっつけるナチュラルキラー(NK)細胞が増え、免疫力が上がる。血流も良くなるので認知症予防にも効果がある」と笑いの効果を説明し、「本当に楽しくなくても、笑うふりでよい」と話した。講演要旨は次の通り。

大人は一日16回しか笑わない?

漫才や落語を聞いて笑うのは「本物の笑い」。笑いヨガの笑いは「作り笑い」だ。脳は本物の笑いと作り笑いの区別がつかない。作り笑いでも笑っていると、脳がだまされて幸福感が得られ、NK細胞も増えて免疫力も上がる。

子どもは一日に300回笑うとされているが、大人は16回というデータがある。だから子どもは免疫力が高い。私も笑いヨガに出合うまでは、20年連続でインフルエンザにかかっていたが、今では平気。

笑いヨガの効果に、▽ストレス発散▽免疫力アップ▽精神的安定▽創造力を高める▽寿命を延ばす(認知症予防)―などがある。残気(二酸化炭素)が体に良くない。笑うことで酸素の吸収力が高まる。何もしていないときの肺機能は20%しか使っていない。歌うときには50%、大声で笑えば80%使う。歌ったり笑ったりして酸素をより多く体の中に取り入れ、血流も良くして認知症を防ぎましょう。

笑いの練習をします。血流がアップするので手拍子をしてリズムに乗り、体をよじったり、肩甲骨を寄せたりしながら「ホホ、ハハハ」と声を出す。最後に「やったーやったー、いえーい」と万歳。うれしくなくても喜ぶふりで脳をだます。

何もないのに笑い始めると周囲が驚く。お勧めしたいのが「エア携帯笑い」。携帯電話で会話をするふりをして「わっはっはっ」と笑う。これなら不審に思われない。

「わーはっはっは」。大盛り上がりの会場

笑った後はヨガの呼吸法で気持ちを整える。鼻から息を吸って鼻から吐く。鼻の奥で空気の冷たさを感じ、上唇に息が流れるのを感じて。自分は地球の一員、一部分だと考えられるよう瞑想する。それぞれ10分間、毎日続けていると心も体も変わってくる。

遊び心や子どもの心を持っている人は心が解放されやすく、若々しくて認知症にもなりにくい。

笑うことが苦手な人も、健康のために、うそでもいいから笑って。大きな幸せはなくとも、小さな幸せを感じられる、毎日がなんとなく幸せでいいのでは。

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