兵庫県丹波市内の田園地帯に、猛禽類「チョウゲンボウ」が姿を現した。ひらひらと翼をはばたかせてホバリング(停空飛翔)を幾度となく行い、上空から地上の獲物をロックオン。狙いを定めると急降下して獲物に襲い掛かっていた。丹波地域は越冬地で、10―3月頃まで観察でき、繁殖地の東日本に移動する。
ハヤブサの仲間で、メスの方が大きい。農耕地など開けた場所でよく見られ、野ネズミや小鳥、昆虫、カエルなどを捕食する。
「頭が茶色なのでメスですね」と丹波野鳥の会会長の梅津節雄さん(66)。「20メートル先の電柱にとまるチョウゲンボウを観察していたとき、突如、私の方に向かって飛んできて2メートル先に舞い降りた。あっけにとられていると、草むらからケラ(コオロギの仲間で体長約3センチ)をくわえて飛び去った。鳥類の視力はすごくて、紫外線を識別し、色の識別能力は人の100万倍ほどあるということを聞いた。この出来事から、それらのことは嘘ではないと感じました」と話している。