「日本酒は世界一の酒」 外国人が酒造り体験 蔵人の技術と心意気に触れる

2020.02.17
ニュース丹波市地域地域

櫂棒で、麹、蒸米、水をかき混ぜる酒ソムリエをめざす外国人=兵庫県丹波市市島町中竹田で

兵庫県丹波市市島町の西山酒造場にこのほど、日本酒のソムリエを目指す外国人約10人が訪れ、同社従業員の手ほどきで日本酒造りの一端を体験。熱心に質問し、積極的に作業に携わるなどして蔵人の技術と心意気に触れていた。

訪れたのは、シンガポール、マレーシア、イギリス、アメリカ、ドイツ、メキシコの30―40歳代。日本酒バーの経営者やホテルの責任者、有名レストランのスタッフ、母国で日本酒を普及させようとしている人たちで、イギリス・ロンドンを拠点とする「酒ソムリエ協会」が認定する講座の受講生。すでに日本酒造りの「いろは」を学ぶ座学を修了しており、学びの総仕上げとして日本国内4カ所の酒蔵をめぐって「実際」を体験している。

西山酒造場では、約10年前から受け入れを行っており、今回で6回目。洗米や蒸米に麹菌を混ぜ合わせる「製麹」の工程や、麹、蒸米、水を櫂棒でかき混ぜ、醪をつくる作業などを体験した。

同協会設立者の一人、太田久美子さんは、「海外で日本酒人気は高い。酒ソムリエをめざす外国人は、酒の成分表からは知ることのできない、おいしさの陰にある蔵人たちのチームワークや細やかな技術を知りたがっている」と話す。

マレーシアで日本酒バーを経営しているスティーブン・チェンさん(41)は、「日本酒の歴史や文化に関心がある。製造工程において、時間や温度、配合量などを非常に細やかに管理する高い技術と、こだわりの強さも素晴らしい。時間が許す限り、最大限に学んで帰りたい。日本酒は間違いなく世界一の酒」とほほ笑んだ。

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