「切り干し大根」で金賞 「半農半公」の夫妻 味の変化楽しめる逸品

2020.03.10
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金賞を受賞した「丹波市産切り干し大根」と賞状を手にする宮東典正さん=2020年3月5日午後1時1分、兵庫県丹波市春日町多利で

兵庫県丹波市の農業支援員、宮東典正さん(41)、佳子さん(40)夫妻の「丹波市産切り干し大根」が、日本野菜ソムリエ協会(東京都)が主催する「野菜ソムリエサミット」で金賞を受賞した。初めて応募したコンテストで好成績を収め、「第三者に自分で作ったものが評価され、素直にうれしい」と喜んでいる。

 2017年4月に、家族で同県西宮市からIターン。地域農業の担い手となることを期待され、丹波市の「半農半公」制度で市の業務と、市内の農業会社などでの農業研修を並行して行ってきた。月末で任期を終え、4月から独り立ちする。
 受賞した商品は無農薬無化学肥料で栽培した青首大根を加工したもの。天日で8割程度乾かし、乾燥機で仕上げる。典正さんは「色が悪いと売れ行きが悪い。白い色が出るよう、品質に気を配った」と言う。
 野菜ソムリエ14人が試食の上、審査。10点満点で、金賞基準の平均8点以上を獲得した。審査員からは、「噛むほどに大根の甘みが広がっていく。水で戻すと、一転、辛みが強くなり、同じものとは思えない味の変化が楽しめる」などと評価された。
 研修中に様々な作物の栽培を学び、相性が良かったのが大根。形が悪い物を加工する。今年度から量産できるよう、千切り機も導入した。人参の千切りも商品化している。
 典正さんは、「農業は経験が必要。良い経験をさせてもらった。市の仕事で人脈も広がった。栽培は私、加工は妻という形でがんばっていきたい」と話している。

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