2006年に恐竜化石「丹波竜」が発掘された現場近くにある兵庫県丹波市山南町の上久下小学校の6年生(12人)が、卒業記念にとユニークな形をしたカボチャを使って1人1体ずつ丹波竜のオブジェを制作した。作品は職員室前の廊下にずらりと展示。新型コロナウイルスの影響で臨時休校となり、児童の声が聞こえない静かな校舎で、教師たちは卒業生一人ひとりの顔を思い浮かべながら、作品を眺めている。
材料のカボチャは、近所の男性から譲り受けたもので、「ダイナソー・ゴード」と呼ばれるウリ科の植物。首長竜のように見えるため、「恐竜かぼちゃ」「恐竜ひょうたん」と呼ばれている。大きい物で長さが約40センチ、直径約20センチあった。
中の種を掻き出し、十分に乾燥させてから、紙粘土でこしらえた足や背びれなどを接着。茶や緑、金や銀色のスプレーで色を重ね塗りして、恐竜の皮膚感に近づけた。
「首をねじって振り向いている」「眠っているのでうなだれている」など、児童たちはカボチャの形から自由に発想を膨らませ、さまざまな仕草をした丹波竜オブジェをこしらえた。
個性が光る作品に仕上げていた男子児童は、「コロナのせいで、さみしい春になったけれど、クラスのみんなとにぎやかに素敵な卒業記念が作れて良い思い出になった」と話していた。